訓練21週目

台風が今まさに京都上空を通過している。南からの空気が入り込んで少し生ぬるい空気になっている。風切り音がひっきりなしだ。

 

今週は基本課題に取り組む時間の少ない週だった。

これまで成形コースと総合コースはほとんど同じカリキュラムが組まれていたが、いよいよ2つのコースで別々な課題が課されるようになった。

成形コースは基本課題が終わると応用課題に入り、応用課題はサイズや器の種類は決められているが、その範囲の中で自分が作りたい器を作ることができる。作りたいと言っても就職が決まっている人は就職先で作られている器に近いものを作っていくことになる。

総合コースの方は基本課題が終わると、図案科が使うための生地を引くことになる。もちろん自分で好きな形を作れるのではなく作るサイズからデザインまで全て決まっている。基本課題を延長したような内容だ。

実はこのことを知ったのは案外最近のことだった。自分は総合コースも基本課題が終わった後にある程度の裁量を持って器を作れるのだと思っていた。というのも、2年次にも裁量を持って器を作れるものの、扱えるのは磁器(石もの)という縛りがあるのだ。だから1年は土ものを使った器を考えられるのだと思い込んでいた。けど、そうではなかった。このこともあって、自分は少し1つの課題をじっくりやってみようと思うに至った。

話が脱線したけど、今週は総合コースだけの課題が与えられた。先週にマグカップの取手を石膏型でとったけど、そのマグのコップ部分を総合コースが水挽きする担当になったのだ。1人に課せられたのは30個のカップ。1日で水挽きを終えて、2日目、3日目で削った。そして、4日、5日目で石膏型から取手を作成し、カップに取手を付けるところまで作業した。なので、ほとんど今週はマグカップの制作に時間を費やした。4日目以降の取手づくりからは成形コースと合同で行った。

ということで、ほとんど基本課題の一輪挿しの訓練をする時間が取れなかった。けど、一輪挿しはだいぶ形が良いものができるようになった。その中で一番良い形のものを選び、この形と同じものを正確に量産していくことに決めた。

ここまで来るのに少し、時間をかけ過ぎてしまったかな。。。けど、一輪挿しで課題となっていたことは全て自分で納得して習得できたと思う。まだ精度がよくないけど、先生が言ったことを自分で体感し理解した状態までこれた。

今まではここまでで終わっていたけど、今回の一輪挿しはもう少し先の精度と速さを高めるためのステップを踏もうと思う。

ちなみに、一輪挿しで自分がつまづいていたところは、膨らますところで揺れることだった。けど、この揺れは膨らます時にエゴテに力が入り過ぎていたことが原因だった。一輪挿しのはじめ、先生がエゴテは底の土を張り付かせる時に力を入れるが、そのあとは本当に膨らむきっかけを与えるだけだからほとんど力はいらないと言っていた。その力加減が理解できた。

土で形を作る時、土を挟んで引き延ばす方法、ヘラなどで土を引っ掛けて、土を締めながら形を作る方法をこれまで学んできた。そして、一輪挿しではコテやヘラなどで膨らます方法で形を作る方法を学んだ。どれも力を使う目的が違うから、当たり前だけど力加減が全然違う。それを今回身を以て理解することができた。

次週は基本課題に集中できる週になりそうだから、集中して課題に取り組もう。これから先は未知の領域だ。