訓練28週目

今週は一週間総合コースのメンバーは基本課題や今やっている課題をストップして、必須課題である急須の課題に取り組んだ。

もともとこの急須の課題は総合コースのメンバーが全員一輪挿しの課題を終了したら行う予定で、先週までで総合の全員が一輪挿しを終了した。

急須の課題は、今年は2人1組となって1つの急須を作ることになった。そして、急須のデザインから釉薬までこのペアで考え、各急須10個(5個/人)を提出しなければならない。

工程は、デザインを考えてから図面に起こし(水挽き寸法で)、その図面を元に道具を作成する。それから急須の各パーツを水挽きし、削り組み立てを行う。

そのあとは通常の課題と同じ工程となる。

今週はこの工程のうち、水挽きまでの途中まで取り組んだ。

そしてこれが結構難しい。一輪挿しの方が複雑な形なので以外に簡単なのかと思ったけど、そんなことはない。胴径が結構あるので、高さと胴径両方をバチっと出すのはなかなか骨が折れることだった。

来週は訓練校の入学試験で木曜から次の週の月曜まで休みになるので、再来週を目処に急須を仕上げていきたい。

訓練27週目

また、先週のポストを飛ばしてしまった。。。。

先週は筒花生の課題を終わらせる予定だったが、結局今週の月曜に削りを少し残してしまった。金曜に体育訓練がなかったら先週中に終わらせられたんだけどさ。タラレバ。

でも!目標としていた10月中に基本課題を全て終わらせることは達成できた。11月からは図案科のための生地を引くことになる。

早速今週から仁清土で8キロのツボを挽いている。これがもう、とんでもない代物で。全然できないっていうか、何ができないのかがわからない。五里霧中ってやつだ。

とはいっても、近道があるわけでもなく、霧の中でも止まってては時間が勿体無いので、リスクあってもひたすらまっすぐ前進、精進あるのみ。

訓練25週目

季節外れの台風が猛烈にアパートの窓を叩く。嵐山の雑木林を根こそぎ引っこ抜いてしまうのではないかと心配になるくらい強烈な風だ。

今週は各地で陶器まつりが実施されるはずだったが、台風の来訪で日曜は中止せざるを得ないところが多くあった。

丹波の陶器まつりも土曜のみの1日だけ開催して日曜中止とすることを決定した。土曜にちょうど丹波の陶器まつりにいったが、終日雨と冷たい風でじっくり器を見ることができなかった。なんとも残念だ。

 

先週最後の課題を今週で終わらすと予定を立てていたが、金曜を終わって見ると予定通りには行かなかった。金曜には10本の筒花生を削って終了となるはずだったが、2本しか水挽きできず大きく予定が狂ってしまった。

来週には必ず筒花生けを終わらせよう。きっと。

訓練24週目

先週は予定していた通り一輪挿しの課題を終えて、次の課題の道具作りまで完了することができた。

いよいよ基本課題最後の課題に取り掛かる。最後の課題は筒花生(つつはないけ)だ。筒花生はこれまでの課題と違い土の量が決まっていて(2kg)、その量で規定の高さの円柱を作成する課題だ。とてもシンプルだけど中々手強い課題なようだ。

先を進む人でもこの課題に大きくつまづく人がいる。逆にすんなりと課題をクリアしてしまう人もいた。自分はこの課題は得意だと思っている。だから、一応今週中にこの課題を終わらせるつもりでいる。

月曜に見本を挽いてもらって、月曜と火曜でコツを掴み、水曜と木曜で10本(この課題は10本の筒花生を引くことがクリアの条件)挽いて同時に検定も受ける。

そして、金曜に削りをして終了ということだ。

でも、金曜は実は体育訓練で一日実習をすることができない。もし体育訓練になったら次の週に持ち越すことになる。金曜に雨が降れば順延となるので終わらせることができるはずだ。うん、きっと。


一輪挿しは今週で終わったけど、自分でもここまで粘って本当によかったと思った。最後の方では、自分でも納得できる一輪を続けて挽くことができた。

この一輪を突き詰めてやったことで、おそらく次の課題の筒花生でも生きる技術を習得できたと思う。そして、それだけではなくロクロ全般の技術の底上げができたと思う。

この課題が自分の中で立ち返る場所になったと確信している。

スランプや基本に立ち返る時にはここに戻ってくることにしよう。

訓練23週目

先週と先々週のポストをサボってしまった。

言い訳がましいけど、9月からバイトを始めたことで何かと土日が忙しくなった。

そして、先週は学校で研修旅行があったので土日は金沢にいた。という更新できなかった理由を並べてみても、結局は面倒臭かったからです。はい。

 

先週は石川の加賀に研修旅行に行った。目的は九谷焼の事業所見学だ。

この研修旅行は1泊2日で木曜に出発し金曜の午前中まで見学を行う工程だった。その後は本来は学校まで帰るのだけど、どうしてもという人は残って金沢などに足を伸ばしたりした。もちろん実費でだけど。

自分は金沢と能登に行くために土、日と金沢に宿泊した。他にも数名金沢に残ったので金曜の午後からはその内の何人かで金沢をぶらぶらした。

自分はなんとなく金沢をみたかっただけだが、終わってみるとフレンチを食べる旅だった。土曜の昼から日曜の昼まで全てフレンチ(ビストロも含む)を食べ続けていた。おかげでバイト代を全て食べつくしてしまった・・・

利用したレストランの中で能登のrestaurant L’Atelier de NOTOはとても丁寧で誠実に料理を作るレストランだった。今回は安めの3000円代のランチだったが、次回はもっといいコースで食べようと思わせてくれる内容だった。

さて、実習の方はというと一輪挿しに引き続き取り組んでいる。

実に1ヶ月半ほども1つの課題に取り組んでいることになる。

けど、それはすごくよかったことだった。1ヶ月半やり続けなければわからないことを沢山気づくことができた。特に、今更だけど、土殺しや土取りの精度がよくなったし、こういうことか!って思うことがあった。一輪の方も少し前までは揺れることが多かったが、それも今ではほとんど揺れることがなくなった。全ての原因を理解できて、対応することができるようになった。これは自分の自信にも繋がった。

 

来週で一輪挿しを終わらす予定だ。来週の火曜まで一輪挿しの水挽きをして、水木で削り、金曜に道具を作りを行う。

そして再来週から筒花生、最後の基本課題に入るつもりだ。

訓練21週目

台風が今まさに京都上空を通過している。南からの空気が入り込んで少し生ぬるい空気になっている。風切り音がひっきりなしだ。

 

今週は基本課題に取り組む時間の少ない週だった。

これまで成形コースと総合コースはほとんど同じカリキュラムが組まれていたが、いよいよ2つのコースで別々な課題が課されるようになった。

成形コースは基本課題が終わると応用課題に入り、応用課題はサイズや器の種類は決められているが、その範囲の中で自分が作りたい器を作ることができる。作りたいと言っても就職が決まっている人は就職先で作られている器に近いものを作っていくことになる。

総合コースの方は基本課題が終わると、図案科が使うための生地を引くことになる。もちろん自分で好きな形を作れるのではなく作るサイズからデザインまで全て決まっている。基本課題を延長したような内容だ。

実はこのことを知ったのは案外最近のことだった。自分は総合コースも基本課題が終わった後にある程度の裁量を持って器を作れるのだと思っていた。というのも、2年次にも裁量を持って器を作れるものの、扱えるのは磁器(石もの)という縛りがあるのだ。だから1年は土ものを使った器を考えられるのだと思い込んでいた。けど、そうではなかった。このこともあって、自分は少し1つの課題をじっくりやってみようと思うに至った。

話が脱線したけど、今週は総合コースだけの課題が与えられた。先週にマグカップの取手を石膏型でとったけど、そのマグのコップ部分を総合コースが水挽きする担当になったのだ。1人に課せられたのは30個のカップ。1日で水挽きを終えて、2日目、3日目で削った。そして、4日、5日目で石膏型から取手を作成し、カップに取手を付けるところまで作業した。なので、ほとんど今週はマグカップの制作に時間を費やした。4日目以降の取手づくりからは成形コースと合同で行った。

ということで、ほとんど基本課題の一輪挿しの訓練をする時間が取れなかった。けど、一輪挿しはだいぶ形が良いものができるようになった。その中で一番良い形のものを選び、この形と同じものを正確に量産していくことに決めた。

ここまで来るのに少し、時間をかけ過ぎてしまったかな。。。けど、一輪挿しで課題となっていたことは全て自分で納得して習得できたと思う。まだ精度がよくないけど、先生が言ったことを自分で体感し理解した状態までこれた。

今まではここまでで終わっていたけど、今回の一輪挿しはもう少し先の精度と速さを高めるためのステップを踏もうと思う。

ちなみに、一輪挿しで自分がつまづいていたところは、膨らますところで揺れることだった。けど、この揺れは膨らます時にエゴテに力が入り過ぎていたことが原因だった。一輪挿しのはじめ、先生がエゴテは底の土を張り付かせる時に力を入れるが、そのあとは本当に膨らむきっかけを与えるだけだからほとんど力はいらないと言っていた。その力加減が理解できた。

土で形を作る時、土を挟んで引き延ばす方法、ヘラなどで土を引っ掛けて、土を締めながら形を作る方法をこれまで学んできた。そして、一輪挿しではコテやヘラなどで膨らます方法で形を作る方法を学んだ。どれも力を使う目的が違うから、当たり前だけど力加減が全然違う。それを今回身を以て理解することができた。

次週は基本課題に集中できる週になりそうだから、集中して課題に取り組もう。これから先は未知の領域だ。

訓練20週目

8月が終わり9月に入った。

最近成形科の人にポツポツと就職が決まった人が出てきている。

そして今週、基本課題を全て終わった人も出てきた。

自分の方はというと、一輪挿しにまだ納得できない部分があり検品30個のために残せるものは0という結果で今週が終わった。

もとい、一輪挿しは早く、正確に作ることを重点に置いて取り組もうと思っているのだから検品30個のための商品は残す気は無いのだけど。しかし、それにしても少し遅い感は否めない。。。

今週は後半に押し込み型の実習があった。

押し込み型とは、原型を粘土で作りそれを元に石膏で型を作り、再帰的に原型と同じ形の粘土を石膏型を使って作れるようにするものだ。

 

 

訓練19週目

今週、後半から京都は秋の空気になった。

風が涼しくなったから自転車での通学が大分快適になってきた。空の方でも日差しはまだ夏だけど、雲はもう秋の形をしている。

そう、空といえば桂川の空で無数のコウモリをみた。陽も落ちそうな桂川の川縁で、燃えて舞い上がった灰のようにひらひら舞う奴らを、見た。なんだか心がざわつくようなそんな感覚を覚えたけど、案の定その感覚が的中した。今週自転車に乗っていたら2回も車にぶつけられた。おかげで体がバキバキだ。。。

そんな泣き言も言っていられず、今週から一輪挿し(一輪生)の課題に入った。

この課題はこれまでの課題の総仕上げと位置付けられる課題だ。これまでやってきた課題の要素が全て入っている。もちろんこの課題で習得しなければならない技術もしっかりある。

この課題のあとは筒花生という課題になり、少しこれまでと毛色の違う課題になるから、これまでの技術をしっかり身につけるには、この課題しかチャンスがないのだ。

そして、これまで同じ商品を作るための訓練を少しないがしろにしてきてしまった自分には、この課題でしっかりと同じ商品を作るための技術を習得したいと思う心がある。

こうした思いから、この一輪挿しの課題は丁寧に進めている。

訓練18週目

夏はまだ終わってないのに夏休みは終わってしまった。

京都の夏は暑い。厚いといった方が表現として適切で終始35度のお湯に潜っているような、ぶ厚い湿気を纏う夏だ。

訓練校には夏休み前と同じ顔ぶれが揃ったわけではなく、前期でやむなく退校してしまった仲間がいる。また今月いっぱいで就職先が決まり退校する仲間も。

けど訓練は夏休み前から、ちゃんと地続きで始まった。

額皿は初日全くエンジンがかからず一日4枚。。。。

相馬焼で速さ・正確さの重要性を学んだけど、まだ体がうまくついていかない。でも明らかに意識は変わった。

今週は額皿を30枚挽き、削り一輪挿しの道具まで作りたいと思ったけど額皿の削りが終わったとこで終了してしまった。

来週の頭から一輪挿しの道具を作り月曜からスタートを切ることになった。

額皿は、けど、あまり納得した状態で終われなかった。スピードは出るようになった。けど水挽きの時に縁を切ることなく仕上げたかったが、それがほとんどできなかった。それと、乾燥した時に皿の表面に段差ができてしまう現象がほとんどの皿で発生した。

縁を切らないようにするとは、規定のサイズで皿を作らなければならないのにロクロで作っていると形を合わせる間に少し大きくなってしまうことがある。その時に器の縁を切って器を小さくして調整することだ。

こうした作業を行うと時間的にロスするし、何しろ切らずに形を作ったものより不思議と格好悪くなる。相馬でみたときはこうした作業を僕がみている間は一度もなかった。

だから、一輪挿しの課題中にも皿を挽くことにした。やはり自分が納得できるレベルまで自分自身がいきたいんだ。

相馬焼インターン7日目(最終日)

今日でインターンも最終日。

松永窯で作業するようになって作業場には歩いて行くようにしている。こっちの朝は寒いくらいで歩くには丁度良い気候だ。宿泊している場所から松永窯までは歩いて15分ほどで、周りに視界を遮るものはなく水田が一面に広がっている。意外に目に入る高い山はなく自転車でどこまででもいけるような、歩いていると少しもどかしい感覚になる道のりだ。

今日は最終日ということもあり、今まで聞くタイミングがなかったことをちゃんと聞いておこうと作業最中でも隙あらば色々と質問をした。職人のこと、松永窯のこと、ECのことなど。こうして話を聞いていると、生産性の向上が一番の課題となっていることがわかった。ECのことについても相馬焼のブランドの強さを知ることができた。

作業としては、前日作成した器が削りごろになっていたので、削り作業を行った。カンナを貸してもらい削っては見たものの、京都で作ったカンナとは勝手が違い、全然うまくいかない!使っているのを見ている時は簡単そうで使いやすそうに見えたけど、実際に使ってみるとどうやったら気持ちよく削れるのか想像つかないほどうまく扱えなかった。そんな悔しい思いもしながら削り終わり後日送ってくれるとのことなので、釉薬の希望を書いて窯に残してきた。

削り作業以外は前日に納品した職人さんが挽いた器たちの検品とヤスリ作業を行った。だいたい800個ほどあるようで、これの検品だけでも2、3日かかりそうな感じだった。けど、この作業で正確とスピードの大事さを再認識できた。

学校でならう数学や国語など習い始めはどこで使うかわからないが、ある程度深く触れていくと、生活と繋がる場所に行き着くことがある。今回も訓練校で学んでいる内容や、大事だと言われている内容と自分自身の経験とが繋がることができた。言われた言葉をきちんと消化して、自分の言葉として人に伝えられることができる状態になったということだ。

こうした経験をできたことが何よりもよかった。2年間訓練期間があるがこの感覚をこの時に感じれたことがすごく大事だったと思えた。

他にも色々と多くの学びを得ることができたインターンだった。もちろん自分の想像を超える良い経験ができた。